ほんのよこみち なブログ

不登校とひきこもりの子を持つシングルマザーが、このくにで生きることを考えながら、本と好きなことを語ります。

山田ズーニーさんの『「働きたくない」というあなたへ』を読んで考える

 

こんにちは、ほんのよこみちです。

我が家にも「働きたくない」という若者がいるので、その心理を知りたくて、この本を手に取りました。

 

 

山田ズーニーさんは、ベネッセコーポレーションで進研ゼミ・小論文編集長をされていた方で、実は私も当時、その講座を受講してました! 

小論文、進研ゼミの中で一番好きだったなあ~。

 

 

この本は、『ほぼ日刊イトイ新聞』で連載されていた「おとなの小論文教室」の内容を加筆修正されたものです。

山田ズーニーさんの問いかけに、読者の方からの投稿があったり、その投稿からまた、山田さんが考えた事柄が記載されていたり、いろいろな視点から物事をとらえる練習帳みたいなつくりになっています。

 

 

テーマは大きく4つ。

① 「働きたくない」というあなたへ

② おかんの戦場

③ 結婚しても働きますか?

④ グレーゾーンの住人たち

 

 

①「働きたくない」というあなたへ

うちの家族を見るからには、自己肯定感が低い→不安→責任が怖い→働きたくない、そういうことかと思ってたんですね。

でも、それなら、大学まで行った人たちは、高校中退の子より自己肯定感があるのでは?

 

この本を読んでいると、自分の人生についていかに考えてきたか、どのような決断を自分で下したか、そういったことが関わってきていることを感じます。

なんとなく学校に行き、みんなが進学するから進学し、就職に有利だという理由で学部を選び、そのためにいろいろ我慢して我慢して、結局楽しいことなんて何もなかった、そういう人生の怖さ。

 

ああ、それはわかります。

確かに、私も子どもの進路に対して、いろいろ情報を提示して促してきましたよ。

だって、そうしてもいいんじゃないですか? といろんな人から言われたし!

私自身は、親にいろいろ言われるのが嫌で、全部自分で調べて自分で判断してきたんですけど。

逆にそういうのでびっくりされたし(苦笑)

あ~あ。

 

 

② おかんの戦場

この章は、人によっては読むのが辛いかもしれません。私は苦しかったです。

すべてのおかんが、家族のために自分を犠牲にして働く、というわけではないので。

私もそこまでできないし。

風呂掃除とかごはんよそったりとか、家族に頼むことたくさんあるし。

場合によっては、お惣菜に頼ったりもするし(苦笑)

しんどいときは、家族にコンビニ買い出し部隊を依頼するし。

なので、おかんの頑張りが、母親神話みたいになってしまうと、正直辛いです。

うちの実母も、おかん女神ではなかったので、そういう母親の下に生まれたお子さんが、こういう文章を読んで辛くならないだろうか、そこは心配です。

 

 

③ 結婚しても働きますか?

この章は、男性からの投稿が、非常に印象的でした。

女性目線だと、働けるか否か、働くための環境はどうなっているか、そういうことばかりになってしまいがちですよね。

そこに入ってきた、「男性には働くか否かの選択肢がない」という意識。

人権問題には意識しようと思いつつも、男の子は働いて当たり前と考えている。

ああ、そうだよなあ~、男の子には「家庭に入る」って選択肢がないよなあ。

現実には、主夫の方もいらっしゃるとは思いますが、その存在に対する社会の目は、決して平穏なものではないはず。なぜ? という好奇の目が必ず入る。

 

個人的には、外で働くことって、学びになるし、世界は広がるし、現金も手に入るし、経済力に裏打ちされた自由も手に入るし、プラスが多いと思うんですけどね。

自分自身を、株式会社自分って思えば、とにかく仕事は有難い。

 

 

④ グレーゾーンの住人たち

現代は、なんでもかんでも白黒つけたがる傾向にあり、人間関係においても、敵か味方に分けたがる……。

グレーゾーンとは、白か黒かではなく、つまり友人か他人かではなく、その中間の曖昧な間柄をつくっていこう、ということでした。

例えば、挨拶をするだけの間柄。

知り合いになったからといって、いきなり重い打ち明け話などをするのではなく、つかず離れずの距離感を保つ……というのでしょうか。

 

実は私も、過去にこのグレーゾーンを破壊するような大失敗をやらかしたことがあります。

知人に、「何でも相談事が出来ないような間柄では、友だちとは言えない。もっと深い友人関係を築くべきでは?」と言われ、距離感もへったくれもなく、がんがん前に出ようとしてしたことがあるんですね。若かったな~。

結果は、ま~、見事に周りに人がいなくなりましたよ(苦笑)

その時の後遺症を、20年以上引きずっているので、今でもつき合ってくれている友人たちには、本当に大感謝です。

 

物語のように心を分かち合う友人がたくさんいれば、それはそれで幸せでしょうけど、自分には自分の関係世界がある。

自分のことを全部知ってくれている相手……というのではなくとも、ほどよい空気を保ち続ける間だからこそ、さりげなく助け合える間柄となりえる。

そういう関係を、もっと大切にした方がよいのでは? というのが、本章の結論だと思いました。

 

 

なんか、家族のことをわかりたくて読み始めたのに、結局は自省になっちゃったよ~ん。

この本は、前述のように、著者の考えを一方的に並べるのではなく、いろんな方の意見を交えながら、著者自身も考察していくという形態をとっているので、読みながら、自分自身の考えも深まります。

そういう意味で、非常に良い本だなあと思いました。

やっぱり小論文の本なのですよ。

上記の問題には、ただ一つの正解があるわけではなく、十人いれば十通りの答えがあってしかるべきなのです。

だから、自分で考えて、自分なりの意見を持つことの大切さというのを、小論文は認めてくれるんだよなあ……というのをすごく感じました。

面白かったです!